この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第65章 castle in the air

西野の目が大きく開かれた。綾波は胸ぐらを掴まれる。
「ふん。その美名も…… あんたにもし何かあっても、純粋なままでいられるかしら?」
妖しく微笑むと、硝子の破片を再び右手に握り、綾波の顔に近付けた。
「み……未菜!」
増本が叫んだ。西野は綾波を見つめたまま目を逸らさない。
綾波も、西野から目を離さずに息を詰めた。シャツを掴む小さな手が僅かに震えている。西野は精神の限界に近付いているらしい。
「あんたも……他のやつらも……美名、美名って……」
硝子が、綾波の頬の辺りを躊躇う様に近付いたり離れたりしている。
「止めるんだ!もう、止めてくれ!」
増本の叫びが響き、応接の外に待機している警備員や警官達に緊張が走った。

