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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て

三十分後、ペコと堺は表通りでタクシーを捕まえるのに躍起になっていた。なかなか停まってくれず、ペコは目を剥いて怒った。
「ん――も――っ!ケチね――っ!」
智也が首を振る。
「すまない……岸の運転手も全て出払ってしまってる……」
「こ、こうなったら僕が身体を張って――」
車道に飛び出そうとする堺を、ペコがムンズと捕まえ、歩道に正座させて説教を始めた。
「んも――っ!危ない事をしないの――!そんな悪い子に育てた覚えはなくてよ――!」
「す……すみませ……てか……いつ僕は育てられたんですかっ」
二人が喚く側で、綾波は苦虫を噛み潰した様な顔で立って車の流れを見ていた。
「こんな目立つ格好で、往来にいつまで立たされるんだ?」
「なかなか様になってるぞ?」
智也にニヤリと笑われ、綾波も口元を緩めた。

