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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て



 綾波は袖を捲り、腕を回すとその場で足踏みをし、軽くジャンプをする。



「さて……車を捕まえるよりも、自分の足を使った方が早いだろう」

「え――?」

「走って行く」

「エエエ――!」



 ペコと堺がすっ頓狂に叫んだ時、自転車を引いて、OMIの警備員がやって来た。



「ああ、やっぱりまだここに居ましたか!……良かったら、これを使って下さい……ママチャリですが……走るよりは早いでしょう」

「いいんですか?」

「西野がご迷惑をかけたお詫びです。これだけじゃ、割りに合わないとは思いますが……」



 綾波は、笑って頷いた。



「ありがとう、助かるよ」



 警備員は、敬礼のポーズをして叫んだ。



「お気をつけて、行ってらっしゃいませ!」



 綾波は、ひらりと自転車に跨がり、額の前で掌を翳してウィンクをすると、ペダルを押し進めた。



「もう二度と、離すんじゃないぞ――!」

「頑張って下さいね――!」

「ゴー!ゴー!レッツゴー!レッツゴー!綾波――!」



 智也と堺、ペコの応援を背中に聞きながら、綾波は夜のネオンの海の中、ペダルを漕いだ。

 秋の夜風が髪を撫で、身体の表面を冷やして行くが、胸の中の炎は、美名を想い熱くなるばかりだった。



(美名――美名……

 俺を待たない、などと言うな……

 お姫様はな、騎士(ナイト)が拐いに行くものと決まってるんだよ)
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