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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て


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 その頃、プリキーの演奏の時間が迫っていた。時間が押して三十分遅れだ。

 志村と大室の昭和スーパーアイドル競演のオープニングから始まったイベントは大盛況だった。二番手のクレッシェンド、そしてボンバーダイアモンドのステージに観客は熱狂し、合間のヤモリのトークには大爆笑が度々起こった。

 今、美名と真理と由清は、ヤモリのトークを聞きながらステージの袖で待機している。

 胸の前で両手を組み眉間に皺を寄せている美名の肩を、志村がそっと叩いた。



「美名ちゃん、いつもの笑顔よ……せっかくこんなに綺麗にしてるのに勿体ないわ?」



 美名は、我にかえり、ぎこちなく笑みを返した。



「私……ちゃんと歌えるのか不安で……」

「あらあ~大丈夫よ!まあ、初めての大舞台ですものねえ……

 私も、思い出すわあ……花も恥じらうガラスの十代の初舞台……

 緊張と不安で、直前まで声が出なくてどうしよ~って状態だったのよ~!」



 しみじみと言う志村を、真理が薄気味悪い物を見るような目で見て呟く。



「オッサンの十代の頃……想像すると寒気が……」

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