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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て

綾波は、スマホの画面を一瞥し、軽く舌打ちした。
「ったくーー不親切な奴だ」
歩道の脇に腰掛け、いよいよ闇が深くなりつつある夜空を見上げ、パンクしてしまった自転車を前にして苦笑いする。
「色んな意味でタイミングがピッタリだな」
近くで営業している修理屋を探すのに費やす手間を考えたら、やはり自分の足で走った方が早い。
「警備員には別の自転車を買って返すか」
(やはり、こうなる予感があったのかもな、俺も……)
街のネオンの光を凌ぐほど輝く満月に向かい、自分に気合いを入れる様に呟いた。
「さて……行くか……待ってろよ……美名」

