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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て


 美名の声は、ステージのヤモリと客達にも届いていた。

 先程までヤモリの軽快なトークに笑っていた客達は皆ざわめいた。



「なに……この音?」

「演出の効果音かな?」

「音……じゃなくて、声に聞こえない?」

「なんか、ビリビリしてない……?」



 ヤモリは、耳に手を翳してから、ニンマリ笑うと人差し指を口に当てて、客席の方を向いた。



「どうやら、眠れる歌姫が……目を醒ましたようですよ……」



 すると、会場の照明が落とされ、どよめきが広がる。

 美名の高く、伸びやかな長い長いシャウトはまだ続き、暗闇の会場に響く。

 誰からともなく手を叩き始め、やがてそれは揃った小気味良いリズムとなり、その音は美名や真理、由清の耳にも届いた。





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