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第66章 eyes　tｏ　me～私を見て

｢Ａｈ――――――――――――――｣



　美名はシャウトをしながら肩にギターを下げ、指先は明快なフレーズをつまびいていた。完全にミュージシャンとしてのスイッチが入っている。

　さっきまで泣いていたとは思えないその目の輝きに、真理と由清は頬を綻ばせた。



｢よお――し！いっちょ、かましたるか！｣



　真理がドスを効かせて叫ぶ。



｢野音どころか、東京じゅうに、プリキーのサウンドを溢れさせよう！｣



　由清も、いつになく不敵な笑みを浮かべていた。



｢アンソニー、カッコいい！｣



　手を叩く桃子に、三広は｢えっ｣と鼻白む。



｢お姉さん――！頑張れ――！｣

｢いけいけーー姫様――！｣



　マイカと健人は肩を組み叫んだ。



｢い――ね、い――ね！今夜のプリキーのステージは事件になるよ！｣



　髑髏川達もワラワラと踊りながらやって来て、亮介と野村も手を叩いている。



｢プリキー！プリキー！｣



　princes ＆ junkyを呼ぶ歓声と手拍子が次第に大きくなる。



｢いいなあ～！この感じ！沢山ステージを経験してきたけどさ、身体中で求められてるっ！て思うよな！｣



　亮介が自分を抱き締め悦に入っていると、悠然と歩いてきた祐樹にからかわれる。



｢お前、その言い方エロいぞ｣

｢な、ななな――違うよっ｣



　志村と大室が拳を突き出し、皆の顔を見渡した。



｢さあ、始めるわよ――！｣



　いつの間にか円陣を組んでいた一同が叫ぶ。



｢――プリキー、レッツゴー！！！｣