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第66章 eyes　tｏ　me～私を見て

　はまじろうにゆっくりと降ろされた美名は、ドレスの裾をほんの少し摘まみ、正にお姫様の仕草で客席にお辞儀をした。

　大きな拍手が起こった。

　拍手に合わせて由清がドラムロールを叩き、真理が細かいリズムを弾く。

　美名は、はまじろうに手伝って貰いながらギターを肩にかけ、スタンドマイクを軽く持ち、挨拶する。



｢皆さん、今晩は――！princes ＆ junkyです――！

今日は、来てくれて本当に本当に、ありがとう――！｣



　凛と響くその声は、聴いた者を魅了する力を持っている。

　美名の仕草や表情、その声に観客達は釘付けになっていた。



｢――スゴいな、あの子は｣



　袖からステージを見ていた大室が呟くと、志村は鼻高々で自慢した。



｢そうでしょ？なんてったって、綾波君が一目で惚れ込んだ、生まれついての歌姫だもの！｣