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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
綾波が自分の足で走っているのを不思議に思いながら、智也は手を大きく振る。
綾波も直ぐに気付き、笑みを溢した。
「――なんだ……追い付かれた……な……」
綾波は、膝に両手を置き、下を向いて肩で息をする。
「何処から走ってるんだ?……大丈夫か」
智也が肩を叩き、ハンカチを差し出した。
「サンキュ」
顔を上げた時には既に、綾波の息は乱れていなかった。
「そうだ、急がないと……早く乗って」
智也が走り出すと、綾波も続いた。
「綾波さ――ん!」
「綾波く――――んっ」
堺とペコが車から降りて手を振っている。