この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
ハザードランプが点滅するタクシーに全員が乗り込んだ。
「運転手さん、出来るだけ急いで下さい」
緊張を含んだ智也の口調に、綾波が眉をひそめる。
「どうした……何か問題でも?」
「これを見てくれ」
渡された書類を読み進めるうちに、綾波の指先には力が込められて血の気を失い白くなっていく。
唇を噛み締める綾波をミラー越しに見ながら、智也が淡々と言った。
「調査が確かなら……今の状況は限りなく危険だ。
公会堂の正規スタッフは何人かいるが……どいつだろうな」
智也は、スタッフの名簿を出した。
当日飛び込みのボランティアに関しては、身分証のチェックをその場でして控えを取る方式だ。準備から関わるスタッフには、顔写真と身元が分かる書類を提出させていた。