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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
「いやあ、素晴らしいショーだったよ!」
ヤモリが、手を叩きながら祐樹と歩いて来た。
美名は、身体を起こそうとするが、ふらついてしまう。
祐樹が素早く支えて優しく微笑んだ。
「無理しちゃダメだよ……座っていなさい」
祐樹の姿にまた綾波を重ねてしまい、穴の開く程に見つめてしまう。
祐樹は、その視線を真っ直ぐに受け止めた。美名の切ない心情を分かっているかの様に頷く。
「アイツ、どうしようもないバカだよな。こんなに可愛い美名さんが待ってるのに」
「わ……私……」
綾波が来なくても、自分から追い掛ける心づもりで居た。
でも、ステージが終了したと同時に、張り詰めた糸が切れてしまった様に、感情が決壊しそうになる。
会いたい。会いたくて、たまらない。
意地悪で……獣の様な、私のいとしい――