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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
祐樹は、柔らかく笑い、しなやかな指で美名の涙を拭った。
「そんな顔を、俺以外の男に見せるな」
胸の中を一気に鷲掴みにされ、言葉を失ってしまう。
すると祐樹はコロッと表情を変え、舌を出しておどけた。
「な――んて、ね!綾波の奴が、いかにも言いそうな台詞でしょっ?」
「……っ!」
美名は、真っ赤になり身体を震わせた。それから、祐樹の頭をゲンコツで叩く。
皆が、あっけに取られた。祐樹も頭を押さえ、キョトンとした顔をする。
美名は、唇を震わせた。
「ひど……ひどいっ!」
(剛さんと良く似た姿で……からかうなんて……)
「祐ちゃん、謝りなさい!悪ノリしすぎ!」
志村が叱る。
「駄目?うけるかなあ、て思ったんだけど」
「そんなワケないでしょ――!」
志村が目を剥いた。