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第15章 歌姫の妹

｢桃子の服はなんていうか……う――ん｣
｢せっかく美人なんだから着飾らなくちゃだ――め！勿体ない！若い時代はあっという間に終わっちゃうわよ！｣

　桃子こそ、まだ十八なのだから女の子らしくすれば良いのにと思う。
　わざわざ厚いレンズの変な形の眼鏡をして、髪は無造作なおさげ。
　今日の桃子は、好きなアニメキャラが大きく描かれたTシャツに、パッチワーク柄の引き摺りそうに長いスカートという出で立ちだった。
　もっとちゃんと綺麗にしたらすごく可愛くなるのに、桃子こそ勿体ないと思う。
　桃子は、現実の男子よりも架空のアニメキャラに恋するいわゆる｢腐女子｣みたいな子だ。
　漫画やアニメの中の恋愛やキャラや芸能人にはのめり込むが現実の男性に対しては至ってドライなのだ。