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第66章 eyes　tｏ　me～私を見て

　





｢美名ちゃんは――？｣

「美名ちゃ――ん！｣



　次第に焦れてきた客たちが歌姫を呼んだ。



｢そう言えば……美名ちゃんがいないよね？皆、よくぞ気がつきました――！｣



　ヤモリが大袈裟な仕草で叫ぶと、大きな拍手が起きる。ヤモリの手の動きに合わせて拍手がピッタリと揃い、また爆笑に包まれた。



｢美名ちゃんに会いたいかい？｣



　祐樹がマイクを客席に向ける。



｢会いた――い！｣



　元気な返事が返ってきた。



｢じゃあ、皆で呼ぼうぜ――！｣



　真理が雄叫びを上げるのを合図に、美名コールが起こる。



｢美名ちゃん！｣

｢ヒーメーちゃん！｣



　段々大きくなるコールは、ステージの裏まで聞こえてきた。

　綾波達は、控え室を目指して走っていた。