この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
「兄貴――!今まで何処にいたんすかっ!
姫様も俺らもすっげ心配してたんすよ――」
健人が横から話し掛けるが、綾波には答える余裕がない。
「マイカ!控え室には美名だけか?」
「えっ?……いえ、桃子が一緒に」
綾波は舌打ちする。
それはそうだ。着替えをするのに野郎が一緒に入る訳がない。
(女二人だけで、もし奴がそこへ踏み込んだりしたら……)
綾波の背中に冷たい物が走る。
マイカは廊下の別れ道で立ち止まり、キョロキョロした。
「あれ……どっちだっけ」
「マイカ――ちゃんと覚えとけよっ」
健人にデコピンされ、マイカはグーパンチで三倍以上にして返す。
「そういう自分は覚えてるの――?」