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eyes to me~ 私を見て
第3章 奪われた歌姫
 まるで荷物のように抱えられた美名は、綾波の背中を必死に叩いて抵抗した。
 当の綾波は全く意に介さず部屋のドアの鍵を回し明かりをつける。
 靴を器用に脱ぎ去り、暴れる彼女の脚を掴み履いているスポーツシューズを放り投げた。

「つくづく色気のない格好だな……これからは俺が用意した服と靴にしろよ」

 抱えられたままで軽くお尻を叩かれて、思わず頬が熱くなる。

「な、何よ……私が何を着ようと勝手でしょ?」
「勝手にされたら困るんだよ」

 宮殿の寝室をイメージさせるような部屋だった。天盖付きの大きなベッドには豪華なレース生地のカーテン。
 まるで異国のお姫様が眠るようなベッドに、思わず自分の中の少女趣味の部分が反応したが、好んでここに来たわけじゃないのだ。
 無理矢理連れ込まれ、今から何をされるのか考えたら、浮かれている場合ではない。


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