この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
美名は、ドレスをするり、と脱いで、シャツとGパンに着替えた。
纏め上げられた髪をほどいていき、指で鋤くと、美しい波状の栗色が腰まで落ちる。
『随分と長い髪だな……』
初めて抱かれた日、綾波はこの髪を優しい目で見つめ、指で触れていた。
髪を撫でるあのしなやかな長い指を想い、胸の内を震わせる。
(剛さん……私……頑張ったよ?
剛さんが居なくても……今日こうして……
ちょっと泣いたりしちゃったけれど……
剛さんのキスが無くても……ここまで、頑張れたよ?)
「……褒めてくれるかな?」
鏡にむかって笑顔を作るが、また涙で瞳が盛り上がる。
「剛さ……私……もう……待てない……っ」
キツく瞼を閉じると、熱い涙がはらり、と堕ちた。