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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
「ったく!どんだけ遠いんだよ!」
綾波は、蛇のようにくねくねした長い廊下を、上着を翻し走っていた。
すると、床にか細い白い女の手が見える。
「桃子……桃子、大丈夫か!」
ぐったりした桃子を起こし、呼び掛けてみたが、完全に気を失っているようだ。
バタバタという足音と共に、堺とペコ、佐藤がやって来た。
桃子を見て皆が青ざめる。
「……大変っ」
ペコは、桃子の手を握り締めた。
「医者を……」
堺が呟くと、綾波がうなずいた。
「警察も呼べ!……桃子を頼む!美名が危ない……っ」
「え……?」
佐藤はオロオロしながら、言われた通りに電話を掛ける。
「くそっ!どこだ!」
綾波は駆け出す。
曲がりくねった先にドアがあった。きっとここにちがいないーー息を殺し、ドアに忍び寄った。