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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て




 顎を乱暴に掴まれた。顔が近付いて来る。懸命に唇を避けて歯を食い縛った。

 馬鹿にした様な笑い声が耳元で聞こえたと同時に、首に手をかけられる。

 氷の様な感触に美名は震え上がった。



「犯すのもいいけど、殺っちゃうのもいいなあ……」

「――!」

「お前を消したら……未菜様も喜んでくれる……

"高幡君、ありがとう"……て……笑ってくれる……未菜様……未菜さま……ぼくの……未菜様……!」



 高幡の指先に、力が籠められる。

 美名は、高幡の目を見つめながら、哀願するようにまた首を振った。だが、首への圧迫は強くなるばかりだった。

 高幡の頬が痙攣し、目がつり上がっていく。薄い唇の端からは狂気に満ちた笑いが漏れている。



(嫌……このまま、誰にも会えずに終わるなんて……

せめて……剛さんに……もう一度…………剛さん――!)



「……し………つよ……しさ……っ!」



 美名が、渾身の力で叫んだ瞬間、ドアが蹴破られた。





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