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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
それは、あっと言う間の出来事だった。
ドアが開け放たれ、現れた白いタキシード姿の綾波に美名が目を奪われ、その瞬間。高幡は怯み、美名の拘束を解いた。
「な……何だお前っ!?」
高幡はあきらかに脅えている。
美名は、締められていた喉をおさえ、苦しそうに咳き込んだ。
綾波は怒りのまなざしを高幡に向ける。
準備運動のように両手首を廻し、低く囁きながら高幡に近付いた。
「俺が……何者か、だと?」
「ひっ……」
高幡は、蛇に睨まれた蛙のごとく身体を縮める。
「俺は……姫様の……ただ一人の騎士(ナイト)なんだよ!」
綾波は、高幡の胸ぐらを素早く掴み、固めた右の拳をその腹に沈ませた。