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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
智也が走ってやって来て、美名の側に駆け寄り、背中をさすった。
「大丈夫かい?」
「は……い……」
何とか返事をするが、また咳き込んでしまう。
ドタドタともたつく様な足音と共に、佐藤が巨体を揺らしながらやって来て、その光景に絶句した。
「た……高幡君!大丈夫かいっ」
「俺は正当防衛をしたまでです……これを見て下さい」
綾波が、ふん、と鼻を鳴らす。高幡の作業着のポケットを探ると、小型ナイフやスタンガンが出てきた。
美名は身体を震わせ、ペコは口を手で押さえ悲鳴を上げ、堺は眉をしかめ、智也は高幡を睨んだ。
佐藤が凶器と高幡を交互に唖然と見つめていると、通報を受けた警官がやって来た。
「警察です!……大丈夫ですか?」
警官は、苦しそうに咳き込む美名に声をかける。すると高幡がじりじりと動き、部屋から出て行こうとするのを素早く捕まえた。
「傷害及び殺人未遂の現行犯で逮捕する!」
警官は、ポケットから出した手錠を高幡の手首にガチャリとかけた。