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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
「本当に……しっかり掴まってろ」
綾波は、一段と走る速度を速くした。
美名は悲鳴を上げる。怖くて目を開けていられない。瞼を閉じ、綾波の吐息と身体の熱だけを感じていた。
アンコールの声が近くなり、他のメンバー達がプリキーの曲をステージで合唱しているのが聞こえる。
「――美名、目を開けて」
綾波の声に、美名はゆっくりと瞼を開けた。
そこは、ステージから少し離れた機材の陰だった。
綾波は、美名をそっと降ろし、髪を手で優しく鋤く。
「どうだ、歩けそうか?」
美名は、その場で足踏みをして、軽くジャンプしてみた。
今度はふらついたりしない。
美名は、得意気に舌を出しピースする。次の瞬間、抱き寄せられた。