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eyes to me~ 私を見て
第66章 eyes to me~私を見て
そのチクリとする頬の感触さえ愛しい。
美名の額に、自身の額を軽くぶつけてみる。美名が小さく眉をしかめた時、綾波は告げた。
「俺と、結婚してくれ……美名」
美名の目と口が、大きく開かれ、頬が紅潮する。
二人は額を付けあって、指を絡ませたまま見つめ合った。
「つ、つ、つ……よしさっ」
美名が、口をパクパクさせて何かを言おうとした時、後ろからペコ達がバタバタと駆けてきた。
「――あっ!まだここに居たの~!」
「はあ……はあ……美名さん、大事なギターを……忘れてましたよ……はいっ」
堺が、息を切らしながら抱えていたギターを差し出す。
美名は、自分が今すべき事を思い出したかの様に、強い輝きをその瞳に宿した。
綾波の腕の中から、そっと抜け出すと、ギターを肩から掛けて深呼吸する。