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eyes to me~ 私を見て
第15章 歌姫の妹
 頬が熱い様な気がした。
 翔大の視線に気付いて思わず手で隠すが、ニッコリ笑われる。
 見透かされた様な気がしてドキドキして不安になった。

『私に会いに来た』
 とさっき言ったけど、冗談なのだろうか。
 いや、彼は冗談でそんな事を言う人ではない。

「お姉ちゃん!降りるよ!」

 桃子の声にハッとすると既に二人はホームに降りていた。
 美名は、慌てて人ごみを掻き分けながら降りようとするが、誰かにぶつかりよろめいた。


「美名!」

 翔大が、また抱き留めてくれる。
 今度はしっかりと胸の中に抱かれてしまった。

「も――っお姉ちゃんたら都会に何年居るのよ!人の流れに上手く乗りなさいよね~!
 しょう君、世話の焼ける姉で申し訳ありません本当に!」

 桃子は呆れた声を出したが、翔大は美名を抱き締めたまま首を振る。
 翔大は昔と同じ柑橘類のコロンがほのかに香る。

 ――この香りが大好きで、私は良く抱きついていたっけ。




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