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第15章 歌姫の妹

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｢キャア！実に一年ぶりのキャラメイト！さあ～まずは階段～！｣

　桃子は、店の狭い階段を嬉々として先頭切って上がり始めた。
　エレベーターもあるが小さいし、待っている時間を考えれば階段を使った方が良い。
　しかし、この建物は14階なのだ。
　美名は、足取り軽く進む桃子の後ろに居たが、早くも根を上げそうだった。
　秋葉原のキャラメイトは、本店だけあって規模が一番大きい。
　小説から同人コミックまで、とにかく本の種類もさる事ながらアニメのグッズやアニメ声優の商品など多数取り揃えている。
　店内にはアニメキャラのコスプレを楽しみながらのカラオケやカフェもあり、アニメに詳しくない人でも楽しめる様になっているのだ。
　キャラメイトは今日も沢山の人で賑わっている。
　制服姿の学生やOLに、スーツのサラリーマン、お気に入りのアニメキャラのコスプレで決めた女の子や、中にはごく普通っぽい主婦風の女性もいる。
　美名が六年前に東京に出てきてまず思ったのは、とにかく色んな人達がいるという事。
　そんな事は当たり前だ！と言われそうだが、この街はまさに様々な人間の坩堝だ。