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eyes to me~ 私を見て
第16章 愛を囁く騎士、揺れる歌姫
 翔大の真っ直ぐな髪から柑橘の香りがまた漂ってくる。
 抱き締められたままの体勢でまたソファに倒された。

「美名……隙がありすぎだよ」

 彼は苦しげに呟いて、美名の手の甲にキスする。
 思いきりビンタするか、股間を蹴り上げるか、噛みつくかすればこの場から逃れられるかも知れないが、何故かそれが出来ない。
 綾波に初めて会って何もかも奪われた時の様に、見つめられて触れられると自分の意思で身体が動かせない。
 翔大は、壊れそうなガラス細工を扱う様に美名の手を取ると、手首から肩まで優しくキスしていく。
 触れられる度に生まれる甘い感覚を止める事が出来ない。
 気が付くと甘い声が唇から漏れていた。



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