この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第16章 愛を囁く騎士、揺れる歌姫

『俺だ。何か変わったことはないか?』
綾波の声を聞いた途端、身体中が正体不明の疼きで一杯になる。
――何故、貴方は今ここに居ないの?
何故、私が触れられない所に、貴方は居るの?
「……剛さ……」
涙が溢れて声が詰まる。
『どうした……何かあったか』
美名は思わず翔大を見た。
翔大は、迫ってきた時と別人の様な紳士の瞳をしている。
美名は涙を拭い、やっとの思いで話す。
「な、なんでも……さっき、大きなクモが出てびっくりして……」
『何?……そうか、今度バルサンでも焚くか……大丈夫か?』
「う、うん」
電話の向こうで溜め息が聞こえる。
『悪いが……今夜は帰れなくなった』
その言葉に、美名の心臓が凍った。
『ちょっと厄介な事になってな……』
その時、電話の向こうからはっきりと高い声が聞こえて全神経が耳に集中する。
『綾波さん……すみません』
『いや、いいんだ』
女らしい優しく、甘い声。
それに返事をする綾波。
二、三秒の出来事だがとてつもなく長く感じた。
綾波の声を聞いた途端、身体中が正体不明の疼きで一杯になる。
――何故、貴方は今ここに居ないの?
何故、私が触れられない所に、貴方は居るの?
「……剛さ……」
涙が溢れて声が詰まる。
『どうした……何かあったか』
美名は思わず翔大を見た。
翔大は、迫ってきた時と別人の様な紳士の瞳をしている。
美名は涙を拭い、やっとの思いで話す。
「な、なんでも……さっき、大きなクモが出てびっくりして……」
『何?……そうか、今度バルサンでも焚くか……大丈夫か?』
「う、うん」
電話の向こうで溜め息が聞こえる。
『悪いが……今夜は帰れなくなった』
その言葉に、美名の心臓が凍った。
『ちょっと厄介な事になってな……』
その時、電話の向こうからはっきりと高い声が聞こえて全神経が耳に集中する。
『綾波さん……すみません』
『いや、いいんだ』
女らしい優しく、甘い声。
それに返事をする綾波。
二、三秒の出来事だがとてつもなく長く感じた。

