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eyes to me~ 私を見て
第17章 騎士が獣に変わる夜
 頬には、サラサラした何かの感触。

「美名……」

 低い涼やかな声が美名の意識を半分呼び戻した。

「剛……さ……ん」

 無意識に腕を伸ばすと、指に柔らかいものが触れた。
 それは腕をつつ、と伝い首筋に降りてきた。
 眠りの世界に居る美名は甘い刺激で少しずつ覚醒していく。
 首筋にチクリと小さな痛みが走る。
 痕を付けられたのだろうか。

 そんな事をしなくても……私は……貴方の物なのに……

 身体にズシリと重みがかかり、反射的に腕を巻き付けた。

「剛さん……帰ってきた……の?」

 微睡む美名は、自分の上に居る誰かが息を呑む気配を感じた。
 何度か瞬きをすると、目の前に真っ直ぐな黒髪が見える。

「美名……」
「!?」

 その声に一気に目が覚める。
 暗闇の中で翔大の瞳が美名を見つめていた。
 美名はいつの間にか、組み敷かれている。





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