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eyes to me~ 私を見て
第18章 歌姫を愛でる獣、喘ぐ歌姫
「まあまあの部屋じゃない」

 桃子は入るなり、鼻を鳴らして上から目線だ。

「も、桃子!」

 綾波は、苦虫を噛み潰した様な顔で桃子を見る。

「親族の信用を得ないでデビューさせる訳にはいかんからな……
 こうなったら非常手段だな」

 綾波は、ポケットからスマホを出して誰かと話を始めた。

「……そうだ……ちょっとお前にしか出来ない特命指令がある。すぐに来いよ」

(――特命指令?)

 美名の耳がダンボになる。
 桃子は水槽の色鮮やかな魚達を目を細めて眺めていた。

「で、あんたが本当にクレッシェンドのマネージャーで、お姉ちゃんのデビューの事も本当だとしてさ、どうなのよ」
「どう、とは何だ」

 桃子は、水槽から目を離し綾波を真っ直ぐに見た。

「お姉ちゃんの事を本気で引き受ける気持ちがあるの?
 ちゃんと本気で愛してるわけっ?」

 美名はドキリとして、綾波を見た。
 綾波はその視線を受け止めて、うっすら笑った様に見えた。

「俺は……」

 彼の唇がゆっくりと動いた時、インターホンが鳴った。

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