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eyes to me~ 私を見て
第18章 歌姫を愛でる獣、喘ぐ歌姫
「お姉ちゃんに触るな――!このエセ西本祐樹!」

 桃子が綾波の腕に噛みついた。
 綾波は眉をしかめながら、もう片腕では美名をしっかりと抱き離さない。

「お前なあ……その呼び方は止めろ!」

 桃子は噛みついたままぶら下がり綾波を睨む。

「ガルルル」

 うなり声を上げる桃子を見て、亮介と三広はたじろいだ。

「……て、美名ちゃんの、妹……さん?」
「う、うん……そうなの」

 美名は苦笑いした。

「おいっ!お前!いい加減に離れろこの子猿――!」

 綾波が腕を振り回すが桃子は食い付いたまま離れない。

「も、桃子!止めなさい!」
「ガルルル」
「お前はスッポンか――!」

 この騒ぎを亮介と三広は目を点にして遠巻きに見ていた。

「おい、お前ら見物してる場合じゃないぞ!何とかしろ!」

 綾波が叫ぶと、二人はハッとしてお互い顔を見合わせた。

「り、亮介が行けよ」
「いや、俺、猛獣の扱いは慣れてなくて」
「そんなん俺だってそうだよ――!」

 二人はすったもんだ言い合いを始めた。

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