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eyes to me~ 私を見て
第18章 歌姫を愛でる獣、喘ぐ歌姫
唇を離すと、苦しげな表情で美名を見つめ大きくまた溜め息を付いた。
「ダメだな……俺は全く余裕がない……」
「好き……」
美名は呟いて、綾波を抱き締めた。
戸惑う様に宙をさ迷う彼の腕は、美名が胸元にキスをすると、直ぐ様彼女の身体に絡み付く。
「あのね……しょう君があの日……訪ねてきて……それで……」
話し始めたら、腕に力が込められた。
「好きだ……て言われて……」
綾波の舌打ちが聞こえた。
「でも……剛さんが思うような事は無かったよ?」
美名はそこで嘘をつく。
見え見えかも知れないけれど、嘘を突き通す事に決めた。
「……じゃあ、その痕は何だ」
「……わかんない」
美名はすっとぼけた。
綾波が絶句している。
「私にも覚えがないも~ん。痒くて擦った痕かもね」
「お、お前っ!そんな言葉を信じると思うのか!」
「信じられないなら、いいよ。綾波さんなんて嫌いっ」
美名は、綾波の腕を振りほどいてツーンとそっぽを向いた。
「お前……好きだって言ったばかりだろうが」
「言ったけど。
けど、いつまでもその話をするなら嫌いになるからねっ」
綾波が本気で狼狽えているみたいだ。
美名はそれが嬉しくて、万歳したくなるのを必死で堪えていた。
「ダメだな……俺は全く余裕がない……」
「好き……」
美名は呟いて、綾波を抱き締めた。
戸惑う様に宙をさ迷う彼の腕は、美名が胸元にキスをすると、直ぐ様彼女の身体に絡み付く。
「あのね……しょう君があの日……訪ねてきて……それで……」
話し始めたら、腕に力が込められた。
「好きだ……て言われて……」
綾波の舌打ちが聞こえた。
「でも……剛さんが思うような事は無かったよ?」
美名はそこで嘘をつく。
見え見えかも知れないけれど、嘘を突き通す事に決めた。
「……じゃあ、その痕は何だ」
「……わかんない」
美名はすっとぼけた。
綾波が絶句している。
「私にも覚えがないも~ん。痒くて擦った痕かもね」
「お、お前っ!そんな言葉を信じると思うのか!」
「信じられないなら、いいよ。綾波さんなんて嫌いっ」
美名は、綾波の腕を振りほどいてツーンとそっぽを向いた。
「お前……好きだって言ったばかりだろうが」
「言ったけど。
けど、いつまでもその話をするなら嫌いになるからねっ」
綾波が本気で狼狽えているみたいだ。
美名はそれが嬉しくて、万歳したくなるのを必死で堪えていた。