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eyes to me~ 私を見て
第19章 桃子とふたりの王子
 桃子はカップを手に取り、そのエレガントなデザインに感嘆している。

「素敵……」
「いい趣味でしょ?それ、綾ちゃんが選んだんだよ」
「えっ」
「一見乱暴で無愛想だけど、結構細やかでいい所あるんだよ?」
「……」

 桃子は唇を結んでいたが、紅茶の香りに誘われるように、一口含む。

「美味しい……」

 その時零れた思わぬ愛らしい笑みに、亮介の心臓が跳ねた。

『ん……剛さん……ああっもうダメ……』
『まだまだだぞ……もっとだ』
『やあんっ……スゴいっ』
『メチャクチャにして欲しいか……えっ?』

 しん、としたリビングに、ひときわ大きい二人の声が聞こえて、亮介は紅茶を思いきり噴き出した。


「ぶ――っ!」
「うわあああ!」

 噴水みたいに噴いて、寝ている三広の顔を直撃する。
 流石に三広は目覚めた。

「ばっ……何してんだ阿呆亮介――っ!下手したら窒息するじゃん!殺す気か――!」


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