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eyes to me~ 私を見て
第19章 桃子とふたりの王子
 三広は、頬を僅かにひきつらせて亮介から目を逸らした。

「いつから知ってたのさ……俺が時々……綾ちゃんと寝てたの」
「いや……何となく」

 亮介は言葉を選んだ。
 実は、メンバーは皆薄々分かっていた。
 三広と綾波の関係は、いつの間にか公然の秘密になっていたのだ。
 三広は高校時代のある経験から、女が苦手になってしまったらしい。
 決してゲイという訳ではないし、好みの女の子を見ればときめくし欲情もする。
 けれど、いざ、ベッドインしようとすると、過去の思い出が蘇り、普通に女の子を抱くことが出来ない。
 三広の今までの様子を見る限り、女との体験はまだなのではないか、と亮介は察していた。
 バンドを組んだばかりの時、二人で海でナンパをして女の子二人組を持ち帰った事があった。
 三広は、その時何もしないで終わった、とか言っていた様な気がする。
 自分はその時の女の子と暫く付き合っていたが
 「あの人、ホモなの?」
 と亮介に聞いてきた事がある。
 それで亮介は怒って喧嘩して、その女の子とは別れたのだ。


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