この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第19章 桃子とふたりの王子
「三広……!」
亮介は、彼に手を差し伸べようとする。
だが、その背中が全てを拒否しているのを悟ると、深く溜め息を吐いた。
「わかった……じゃあ、お先にな。桃子ちゃんを頼むよ……」
亮介はリビングから出ていく時一度振り返り、口を歪ませてドアを閉めた。
「……ハアッ……ハアッ」
三広は苦しげに胸を押さえて呻いた。
動悸が速まり、目が回る。
息を吸っても吸っても、空気が薄い様に感じるし、吐き気もすさまじい。
「うぐ……っ」
キッチンのシンクに吐き出そうとするが、何も出てこない。
例えようの無い痛みと悪心に涙が溢れた。
不意に、背中に柔らかい優しい感触を覚える。
規則的に、その感触は背中を撫でていた。
三広はその感触に救いを見出だしながら、吐き気がおさまるまで耐えた。
どの位経ったろうか。吐き気が引いて、身を起こすと、後ろで小さな溜め息が聞こえた。
亮介は、彼に手を差し伸べようとする。
だが、その背中が全てを拒否しているのを悟ると、深く溜め息を吐いた。
「わかった……じゃあ、お先にな。桃子ちゃんを頼むよ……」
亮介はリビングから出ていく時一度振り返り、口を歪ませてドアを閉めた。
「……ハアッ……ハアッ」
三広は苦しげに胸を押さえて呻いた。
動悸が速まり、目が回る。
息を吸っても吸っても、空気が薄い様に感じるし、吐き気もすさまじい。
「うぐ……っ」
キッチンのシンクに吐き出そうとするが、何も出てこない。
例えようの無い痛みと悪心に涙が溢れた。
不意に、背中に柔らかい優しい感触を覚える。
規則的に、その感触は背中を撫でていた。
三広はその感触に救いを見出だしながら、吐き気がおさまるまで耐えた。
どの位経ったろうか。吐き気が引いて、身を起こすと、後ろで小さな溜め息が聞こえた。