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eyes to me~ 私を見て
第19章 桃子とふたりの王子
 女の子の唇を、自分の唇で感じるのは初めてだった。
 男でも女でも、その柔らかさは同じだけど、触れた瞬間に甘く苦しい何かで身体が満たされて、熱さが沸き上がる。
 小さな肩に置いていた手を背中に回して、そっと唇を離した。
 目を丸くした桃子を見て、今まで誰にも感じた事のない愛しさの様なものが生まれる。

「え、えっと……いきなりゴメン……」
「んきゃあ――っ!」

 桃子は耳をつんざく悲鳴を上げて、三広の顎をパンチした。

「うぎっ」

 見事な一撃だった。
 軽い三広はリビングの隅まで吹っ飛ぶ。 
 彼は、それでも何とか身体を起こして、桃子に歩みよった。

「も……桃子ちゃん」
「きゃあああ――!お姉ちゃん!お姉ちゃんっ」
「あっ!待っ……そっちへ行ったらダメだよ!」

 三広が制止するより早く、桃子は奥の寝室のドアをバーンと開けた。

「お姉ちゃ――ん!助けっ……」

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