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eyes to me~ 私を見て
第19章 桃子とふたりの王子
 エレベーターの中で、桃子は赤い顔で無言だった。
 三広にキスされた事よりも、姉と綾波の行為をその目で直に見てしまった事の衝撃の方が強烈だったのだろうか。
 
 ーーさて、どうしようか。

 女の子と二人きりで長時間居るという経験をした事がない三広は、今からの時間をどうやり過ごすか、頭をフル回転させる。
 瓶底眼鏡をかけ、変なシャツを着て、地面に付きそうな位長い野暮ったいスカート姿の桃子は、傍目から見れば珍妙な、オタクみたいだ。
 ぱっと見た目、美名と姉妹と言われても、信じられないだろう。
 
 けれど、今は美名よりも、他の誰よりも可愛く見えてしまう……

 考えが纏まらないまま、エレベーターはチーンと音を立て下に到着してしまった。

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