この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第22章 百万本の花を、歌姫に
「いいか、もうメソメソすんじゃねーぞ。とっとと寝ろ」
美名は、小声で言う真理に頷き、なんとか笑ってみせた。
「ありがとう……真理君」
真理は一瞬押し黙ったが、咳払いして向かいの部屋へ入って行った。
美名が部屋へ入ると、スマホが点滅している。
(……綾波さんからのメール)
顔が綻ぶけれど、内心ギクリともする。
”気を付けろ”と言われたばかりなのに、今日、迫られるままキスされて、イヤリングまで無くして……
もう泣くなと真理に叱られたばかりなのにまた涙が出てくる。
美名は指でメールを開いた。
『美名、志村さんにVTRをメールで送って貰って見たが、なかなか良かったぞ。
一日帰りが延びた事も了解した。
お前が居ないマンションは寂しいが、頑張れよ。
……愛している』