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eyes to me~ 私を見て
第22章 百万本の花を、歌姫に
「美名?」
「……」
抵抗する様に動かないで居たら、翔大は時計を見て、美名を強引にお姫様抱っこした。
「し、しょう君!」
「静かに……皆が起きる」
美名を抱いたまま、玄関に掛けてあるマイクロバスのキーを取ると口にくわえ、外に出る。
キーボタンを押して、バスのロックを解くとドアを開けた。
「乗るよ」
翔大は、美名を助手席へ座らせて、自らハンドルを持ち、バスを発進させた。
美名は、運転する翔大を初めて見る。
「しょう君……何処へ行くの?
……あ、免許!?」
「免許なら持ってる。安心しろよ」
身を固くして黙る美名をちらりと見て、翔大は苦笑した。
「まあ、でも安心出来ないか……
俺に連れ去られて、何処かに閉じ込められて襲われる、て心配してるだろ?」
「……いや、そこまでは思ってないけど」
「それも、いいかも知れないけどな」
「……!」
翔大は柔らかく笑う。
「嘘だよ」
「もうっ……」