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第27章 恋情のheart　beat

「あ、ありがとう｣

　翔大は吊るした紙人形をしげしげと見つめ、吹き出した。

｢くっ……あれ、美名が作ったやつだろ？｣
｢な、何故分かるの？｣
｢何となくね……
　それにしても、あれ、自分達で付けたやつだろ？それにビックリするってどんだけ間抜けなんだよ……ハハハ｣
｢う……そ、そうだよね｣

　翔大は、美名を抱き締めたままだった。
目の前に喉仏が見える。
　(このままだと、まずい……どうやって離れよう)
　と考えていたら、頬にチュッとキスされた。

｢隙あり｣
｢――！｣

　狼狽える美名とは対照的に、彼は静かに微笑んでいる。

｢今、美名が考えている事……当てようか？

"抱き締められたままで、大丈夫かな？
逃げた方がいいかも知れないけど、振り払ってもいいのかな？
　しょう君を怒らせないかな？"
　……こんな感じだろ｣
｢……！｣