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eyes to me~ 私を見て
第28章 獣の求愛
「脚立は何処だ?」
「あ、うん……そこの道具入れに」
美名は扉を開けようとするが、何故か開かない。
「ぬぬぬ――っ」
「ちょっとどけ」
真理が美名を押し退ける。
あっけなく扉は開いて彼が呆れた声を出した。
「……引くんだよこれは」
「やだ――っごめん……えへへ」
美名が笑うと、真理もクスリと顔を綻ばせる。
その優しい瞳にドキリとしてしまい、美名は下を向いてしまう。
「なあ……お前大丈夫か」
「えっ」
真理は一生懸命言葉を選んでいる様だったが上手く言えないらしく、顔をしかめて頭を掻いた。
「その……翔大がさ……あ――……う……つまり」
「……うん。ありがとう」
「?俺、何もしてねえし言ってねえよ?」
「ううん……それでも……ありがとう」
(……そうだ。私は結局しょう君に甘えていたんだ。
ずっと歌手を目指していたけれど、一人でデビューするより、しょう君のバンドと一緒にという事になって何処か心強さもあったし……
しょう君の音楽センスやプレイも大好きで尊敬していたし、しょう君と一緒なら間違いないって……
安心して甘えきっていたんだ……)
「あ、うん……そこの道具入れに」
美名は扉を開けようとするが、何故か開かない。
「ぬぬぬ――っ」
「ちょっとどけ」
真理が美名を押し退ける。
あっけなく扉は開いて彼が呆れた声を出した。
「……引くんだよこれは」
「やだ――っごめん……えへへ」
美名が笑うと、真理もクスリと顔を綻ばせる。
その優しい瞳にドキリとしてしまい、美名は下を向いてしまう。
「なあ……お前大丈夫か」
「えっ」
真理は一生懸命言葉を選んでいる様だったが上手く言えないらしく、顔をしかめて頭を掻いた。
「その……翔大がさ……あ――……う……つまり」
「……うん。ありがとう」
「?俺、何もしてねえし言ってねえよ?」
「ううん……それでも……ありがとう」
(……そうだ。私は結局しょう君に甘えていたんだ。
ずっと歌手を目指していたけれど、一人でデビューするより、しょう君のバンドと一緒にという事になって何処か心強さもあったし……
しょう君の音楽センスやプレイも大好きで尊敬していたし、しょう君と一緒なら間違いないって……
安心して甘えきっていたんだ……)