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eyes to me~ 私を見て
第28章 獣の求愛



 三広は、別荘の中庭のベンチに座りソワソワしていた。
 空には満点の星。
 涼やかに吹く夜の風。
 そしてチラチラと蛍が仄かな命を迸らせている。
 この上ないロケーションとシチュエーション。
 こんな見事な舞台で意中の女の子とベンチで並んで座るという奇跡が自分に起こるなんて、信じられない。
 いや、まだ桃子は来ていないのだが。
 昨日は翔大と綾波の事でそれどころではなかったが、明日東京に戻る前に桃子に伝えたかった。
 一世一代の告白だ。
 話があるから中庭に来てと言ったら、桃子ははにかんだ様子で、
「着替えて行くから……待ってて下さい」
 と答えたのだ。


「う――わ――」

 三広は告白する前から色んな妄想が止まらない。
 桃子はシャワーを浴びて来るのだろうか。
 まさか、パジャマで来たらどうしたらいい?
 薄着で来られたらまた鼻血が……
 まずい。
 想像しただけで頭に血が……
 三広はティッシュをスタンバイした。
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