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eyes to me~ 私を見て
第28章 獣の求愛
三広は、何が起こったのか理解出来ず、馬鹿みたいに口を開けて桃子を見た。
桃子は死に化粧をしているのに、羞恥で頬が紅く染まって唇を噛み下を向く。
「も、桃子ちゃ……今のは……て―っ」
桃子が顔を上げると、何かを凄い速さで投げつけて飛んできて三広の眉間に当たり地面に落ちた。
拾い上げると、それは三広に似せて作ったフェルト生地の人形だった。
ドラムセットの前に座り、スティッキを振り上げる三広。
手が込んでいて感心する程の出来だと眺めていたら、今度は桃子の怒鳴り声が飛んで来た。
「根本さんの、バカっ!」
「えっ?」
「私は……彼氏居ない歴18年で学校の男の子ともマトモに話せない上に二次元大好きで……
アニメの『俺様アイドル☆駿君』の駿君と本気で結婚したいなんて思ってる阿呆な女よ!
あんな変な眼鏡してるのも自分に自信がないからなの!
……だけど……そんな私がこんなに勇気を出してるのに、何なのよっ!
この間、チューして来たくせにっ!
からかっただけなのっ?ヤリ逃げ男――!」
桃子は一気に捲し立て、走り出した。
「桃子ちゃん!待って!」
桃子は死に化粧をしているのに、羞恥で頬が紅く染まって唇を噛み下を向く。
「も、桃子ちゃ……今のは……て―っ」
桃子が顔を上げると、何かを凄い速さで投げつけて飛んできて三広の眉間に当たり地面に落ちた。
拾い上げると、それは三広に似せて作ったフェルト生地の人形だった。
ドラムセットの前に座り、スティッキを振り上げる三広。
手が込んでいて感心する程の出来だと眺めていたら、今度は桃子の怒鳴り声が飛んで来た。
「根本さんの、バカっ!」
「えっ?」
「私は……彼氏居ない歴18年で学校の男の子ともマトモに話せない上に二次元大好きで……
アニメの『俺様アイドル☆駿君』の駿君と本気で結婚したいなんて思ってる阿呆な女よ!
あんな変な眼鏡してるのも自分に自信がないからなの!
……だけど……そんな私がこんなに勇気を出してるのに、何なのよっ!
この間、チューして来たくせにっ!
からかっただけなのっ?ヤリ逃げ男――!」
桃子は一気に捲し立て、走り出した。
「桃子ちゃん!待って!」