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eyes to me~ 私を見て
第28章 獣の求愛
「な、なななんだぁ?」

 真理は、訳が分からず手を上げてまごまごする。
 三広は息を乱して真理に怒鳴った。
 
「もっ……桃子ちゃんを離せ!」
「ええ!?離すも何も触ってねーぞ!」

 真理が叫ぶと、桃子は後ろから腕を絡ませてしがみついた。

「お、おい桃子!何してんだ!」
「あっかんべー!」
「桃子ちゃんっ……」
「私をどうしたいのよ!はっきり言いなさい――!バカ――!」

 桃子は真理の腕に噛みつき喚いた。

「おいっ……お前!こいつを何とかしろよ――!あででで」

 桃子の目に浮かぶ涙を見て、三広は拳をギュッと固くすると、力の限り叫ぶ。

「好きだ――!」
「…………!」

 桃子は腕に噛みつくのをようやく止めて、真理の背中から顔を出した。
 三広は身体一杯で息を吸い込むとまた叫ぶ。

「俺は!桃子ちゃんが!好きだ――っ!
 誰にもやるもんか――!真理にはやらないぞ――!」
「いやだから、俺は違くて……」

 真理は顔をひきつらせる。

「根本さん!」

 桃子は真理を突き飛ばして三広に駆け寄って飛び付いた。



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