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eyes to me~ 私を見て
第28章 獣の求愛
「桃子ちゃん!」
二人は抱き合いながらクルクル回っていたが、バランスを崩しずっこけた。
「おい……大丈夫か」
真理は手を伸ばしかけたが、溜め息を吐いてその場から離れた。
ライターをカチカチ鳴らしながら空を眺め歩く。
「全くどいつもこいつも……」
苦笑いをして、タバコを箱さら池に放った。
次から次へと生まれる波紋を眺めながら、三広の渾身の告白の台詞を呟いてみる。
「好きだ……誰にもやらない……か」
――翔大もそういう気持ちだったのだろう。
美名を翔大から守る、と俺は言ったが、俺だって翔大と同じ事をしていたかも知れないのだ。
(美名が笑っているならそれでいい……)
とは思う。
だが、今頃、屋根裏で綾波に抱かれている事を想像すると身体中が切なく出口の無い疼きで満たされてしまう。
「はは……キツイぜ」
愚かな自分を、低く笑った。
二人は抱き合いながらクルクル回っていたが、バランスを崩しずっこけた。
「おい……大丈夫か」
真理は手を伸ばしかけたが、溜め息を吐いてその場から離れた。
ライターをカチカチ鳴らしながら空を眺め歩く。
「全くどいつもこいつも……」
苦笑いをして、タバコを箱さら池に放った。
次から次へと生まれる波紋を眺めながら、三広の渾身の告白の台詞を呟いてみる。
「好きだ……誰にもやらない……か」
――翔大もそういう気持ちだったのだろう。
美名を翔大から守る、と俺は言ったが、俺だって翔大と同じ事をしていたかも知れないのだ。
(美名が笑っているならそれでいい……)
とは思う。
だが、今頃、屋根裏で綾波に抱かれている事を想像すると身体中が切なく出口の無い疼きで満たされてしまう。
「はは……キツイぜ」
愚かな自分を、低く笑った。