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eyes to me~ 私を見て
第29章 優しい獣の腕の中で
「美名……っそれは違う!」
「……触らないでっ」
美名は、差し出された手を思わず振り払う。
「……っ」
綾波の瞳がぎらついた。
無理矢理腕を掴まれ、ベッドに倒される。
「いやっ……」
「美名……!」
綾波がキスをしようと顔を近づけて来た時、シャツの胸ポケットからシャラ……と何かが落ちた。
その時、彼の瞳が凍るのを、美名は目撃した。
美名の髪の上に落ちたそれを掴んでみると、見覚えのあるアクセサリーだった。
(……私のじゃない…
白いマーガレットのイヤリングと同じデザインのチャームがついた……これは、足首を飾る……)
綾波が目を逸らした瞬間、美名は白いチャームに小さく文字が掘ってあるのを見付けた。
「TO …… HONAMI……」
頭の中で、その文字がある名前に変換されると、背筋がスウッと冷たくなって行った。
「ほなみ……」