この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第29章 優しい獣の腕の中で

 美名は、自分が驚く程の平坦な声で呟いていた。
 綾波が何か言おうと口を開いた時、被せるように訊ねた。

「”ほなみ”って……誰?……綾波さんの何なの?」
「美名……それは」

 こんなに歯切れの良くない彼を初めて見る。
 美名の中で、今までの甘い思い出がガラガラと崩れて行くのを止められない。

「私を初めて抱いた時……あなたは……間違えてその名前を呼んだの……」
「――!」

 綾波の瞳が激しく揺れたのを見て、美名は無性に可笑しくなって笑い出した。

「……ふふ……ふっ……私……やっぱり馬鹿なのかな……」
「美名――」

 笑いと共に涙が溢れて止まらない。

「甘い言葉を囁かれてすぐにいい気になって騙されて……っ……ふふ……あははは!」

 泣きながらシーツを身体に巻き付けて立ち上がると、腕を掴まれた。

「美名……話を聞いてくれ……”ほなみ”は」
「――”ほなみ”の話なんて聞きたくない!」
「美名!」
「……綾波さんなんか、大嫌い!」

 渾身の力で腕を振り払い、美名は屋根裏から逃げた。



/1955ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ