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eyes to me~ 私を見て
第29章 優しい獣の腕の中で
「んっ……っ……」
苦しそうにしているのが分かると真理は力を緩めたが、出来る事なら二度と離したくなかった。
「真理……君っ……私……」
真理は、無限に噴き出しそうな恋情を、無理矢理抑え込み、わざとぶっきらぼうに言った。
「い、言っとくが……これはだな!
お前がウチの犬に似てるからだからな!
……た、他意はねー!」
美名の頭の中に、全身長い毛で覆われた犬と戯れる強面の真理の姿が浮かび、プッと笑いが込み上げる。
「きっと、可愛いんだね?ふふ……」
「ああ……マジで可愛い」
真理が熱く見つめて、その視線に美名はドキリとする。
目を逸らせずに見つめ合って居たら、ゆっくりと真理の顔が近付いて来て、二人の唇が重なった。
美名が呆気に取られて居ると、真理の指が髪をクシャクシャにする。
「……可愛くて……大事で……たまんねえんだよ……」
「……真理く」
優しい腕にまた抱き締められて、美名は言葉を失った。
不思議と、これが自然な事の様に思えてしまった。
真理の胸の中でそのまま美名は眠りに落ちた。