この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第29章 優しい獣の腕の中で
「そろそろ戻るか?俺のところから出てくるのを見られたら面倒だろう」
「……う、うん……」

 美名が明るくなった窓の外をチラリと見て、立ち上がりドアに手をかけた時、グイと引き寄せられた。

「ま……真理君」

 後ろから腕で包まれ、肩に鼻先を埋められてくすぐったかった。

「いや、コソコソする事ねえよ。此処に居ろよ……」
「……っ」
「あ……いや、美名が良ければ、だぞ?」

 美名は何も言えずに黙った。
 真理の腕に力が籠る。

「俺は…………離したくない……」
「……っ」
「アイツ……」
「!」

 美名の身体が震えた。

「綾波の所に……戻るか?」

 腕を乱暴に掴み、激しく打ち付けてきた冷たい瞳が脳裏に過ると同時に、綾波がいつか耳元で呟いたあの言葉が突き刺さる。

『ほなみ……』

「――!」

(そうだ。私はこれからどうするのか。
 今までの様に、綾波さんとマンションで暮らせるの?
 私に向けられていたと信じていた笑顔も、囁かれた愛の言葉も、抱き締められて居た腕も、全部が表面だけの幻だったのに……)




/1955ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ