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eyes to me~ 私を見て
第29章 優しい獣の腕の中で
「真理く……ん……の犬、見てみたいな」
泣き笑いで言うと、真理は額をコツンと合わせて来る。
「……バーカ。犬なんて居ねえよ」
「え……?」
真理は、一晩明けたら綾波の元に美名を返すつもりでいた。
けれど、美名のいたぶられて萎れかけた花のような様を見て、腹を括る。
「好きだ……」
きっぱりと、その目を見て伝えた。
美名の大きく見開いた目の中には困惑と驚きと、ほんの少しの安堵の色が混じっている様に見える。
「ま、ま、ま……ことくっ」
カクカクと口を動かして真っ赤になる美名がいとおしい。
「俺を好きじゃなくてもいい……」
小さな手を包み込む様に握り、祈る様に目を閉じた。
「真理君……で、でも」
「他の奴を思っていてもいい……
俺は……待つ」
「……!」
「お前が泣いたままで居るのが嫌なんだよ……」
「……わ、私」
「俺の事、嫌いか?」
美名は首を振る。
「ううん!好き!……て、いや、その……んっ!」
真理がギュウと抱き締めて来て美名は息が止まりそうになる。
泣き笑いで言うと、真理は額をコツンと合わせて来る。
「……バーカ。犬なんて居ねえよ」
「え……?」
真理は、一晩明けたら綾波の元に美名を返すつもりでいた。
けれど、美名のいたぶられて萎れかけた花のような様を見て、腹を括る。
「好きだ……」
きっぱりと、その目を見て伝えた。
美名の大きく見開いた目の中には困惑と驚きと、ほんの少しの安堵の色が混じっている様に見える。
「ま、ま、ま……ことくっ」
カクカクと口を動かして真っ赤になる美名がいとおしい。
「俺を好きじゃなくてもいい……」
小さな手を包み込む様に握り、祈る様に目を閉じた。
「真理君……で、でも」
「他の奴を思っていてもいい……
俺は……待つ」
「……!」
「お前が泣いたままで居るのが嫌なんだよ……」
「……わ、私」
「俺の事、嫌いか?」
美名は首を振る。
「ううん!好き!……て、いや、その……んっ!」
真理がギュウと抱き締めて来て美名は息が止まりそうになる。