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eyes to me~ 私を見て
第29章 優しい獣の腕の中で
「で、でも私……っ」

 綾波からすぐに真理に乗り換える様な真似をして良いのだろうか、と思った。

(……これじゃまるで……)

「何でもいいよ……お前が笑ってくれるならそれで」

 真理は、美名の戸惑いが全部分かっているかの様な顔をする。
 美名は、綾波の嫉妬に狂って翔大を殴った光景が脳裏に浮かんだ。
 その映像に真理の姿がすげ替えられて背筋が寒くなる。

 (ーー真理君までが、あんな目に遇ったら……)

「……俺は翔大より頑丈だからな。多少ボコられたって平気さ」
「真理君!でも」
「大丈夫だって!
 俺のしぶとさは雑巾並みだからな!ハハハハ!」

 白い歯を見せて笑う真理に、美名は胸の中が暖かくなるのを感じていた。
 ふと、自分の着ているスウェットを見て、おずおずと言う。

「やっぱり……一度部屋に戻るね」

 ガバッとまた捕まえられて抱き締められるが、美名は必死に身を捩る。

「ま、真理君っ」
「ワリイ……俺、触りたくて仕方ない」
「!」





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